独立をする際に考えたことが2つある。
一つは、お客様の資産を最大化するということ。
もう一つは、インテリアデザインの限界に挑戦するということ。
2つの正解がないものに挑むということは、無謀ではあるが、この上ない喜びもある。
インテリアデザインの方で、目標をどのような方法で達成するのかを考えた時に、自分がとにかく納得できて、刷新し続けることができるものにしようと思った。
それは、お客様のマイホームでは実現できないし、店舗やパブリックデザインのそれとも違うと思った。
結局、自分の家・・プライベートな空間のみがデザインの限界に挑戦できるということに気付いたのです。
外出自粛で、家を建ててからというものこれだけ長い時間を自宅で過ごしたことはなかった。時間があったので1週間で部屋の壁を10回以上模様替えをしてみて思ったことがある。極端に言えば装飾品の1センチのズレが気になってしっくりこないのです。でもそれを時間をかけて探し続けると腑に落ちる瞬間がある。デザインの追求というものは、この瞬間を探し続けるものなのかもしれない。
なので、自分の納得するデザインは他の人が使う空間では完璧には実現させることは難しい・・諸外国のインテリアデザインが日本より秀でているのは、その空間を使う人が自ら考えてデザインしていることが要因でしょうね。
そこで、行き着いたのがホテルのデザイン。
自分で所有するか、アートデレクターとして一切の権限を得てつくるホテルでは、デザインの限界に挑戦することが可能になります。だからホテルのデザインは面白い。
最近のテレワークで、自宅でZOOMミーティングしていると、相手先の方から自宅のインテリアに興味ありげなコメントを頂くことが多い。コロナ収まれば是非、一度お伺いしてみたいです!と言って頂く。リップサービスかもしれませんが、皆さん少なからずワクワクはして頂いてるようです。
そういえば、10年くらい前に雑誌に載っていた1枚のホテルの写真。ロビーに宿泊者が座っている普通の写真だったのですが、なんか無性に「やられた〜!!」と思ったことを覚えている。
その写真は、アメリカのポートランドにあるACE HOTELというホテルでした。とにかくその雑誌を何度も何度も見て、ここに行ってみたいと思った。デザインには、そんな魔力がある。この空間の一部になりたいと思わせるだけの・・
なので、これから私がプロデュースするホテルには、すごく私的なものではありますが、1センチにまで拘った柳澤的黄金比デザインをつくっていきたいと思います。←結局これが言いたかっただけ(笑)
糸島ホテルは時間かかってますが、来年の夏オープン予定です。乞うご期待ください。